「…っ、そんなわけ…」 ツキはそんなわけない、と 言おうとしたが、声が出なかった。 窓から差し込む日差しは 夢のときみたいに 夕焼けの赤い色だった。 「諦めな… ウルーはもう、てめぇらと 旅はしてくれねぇだろよ」 すぅっとサンドルの姿が 黒い霧に包まれたかと 思うと、狼になった。 毛が一本一本、 針みたいに尖っていて鋭い。 そして、残酷そうな 赤い瞳がきらりと光っている。 『起きろよ、ウルー 今から俺は、 "雪狼を滅ぼしに"行くんだからよ』 ー…え? 雪狼を、滅ぼす?