プロローグ* 『なかなか使えそうじゃねぇか』 真っ赤な水晶を見詰めながら 赤い瞳をした男は呟いた。 その深紅の瞳は どこまでも暗く、 野心に満ちていて冷たい。 男は立ち上がると ニヤリと笑った。 整った顔立ちの顔が 恐ろしく豹変して、 黒色の髪がざわりざわりと 広がり、のび、 やがてその姿が 黒い狼になった。 『楽しませてもらうぜ…ククッ…』