私だって恋ぐらい…!!!





「あそこで演技の練習してる…、髪がちょっと茶色い子いるでしょ?」


「はぁ」


心愛の第一印象…


それは、見た目も中身も甘そうなやつだな。



フワフワしてて、綿あめみたいなやつだなって思った。



でも…


「あの子と俺どこが似てるんすか?」


共通点がひとつも思いあたらなかった。










「あの子の両親も……
今年立て続けになくなったのよ」


「えっ?」


「父親のほうは交通事故。
母親のほうは……
あなたのお母さんと似たようなかんじかしら」


「似たような…」


「旦那さんが亡くなって精神的に不安定になってる時に……
たまたま心愛の掲示板を見てしまったみたいなの」


「掲示板…」


「心愛の悪口を書いてる掲示板よ…
芸能人で世の中の人全員から好かれてる人なんていないからね」


「………」


「旦那さんの死と娘の悪口……
ショックで多分周りが見えなかったみたい…
車に引かれて…」





突然叔母が口をつむぐ。
どうしたんだと思ってると


「社長…」


可愛らしい声が聞こえて振り返ると、そこには心愛が立っていた。