「シーン16いきまーす」
活気のいい声が飛び交うスタジオ。
撮影が始まって一週間。
支障も特になく撮影は続いている。
ただ……
「心愛ちゃんってモテるでしょ?」
「いやいや全然…」
「嘘だなぁ〜、こんな可愛い子男がほっとかないでしょ」
「かっ可愛くないですよ!!///」
休憩の度に中原さんの質問攻めにあう。
しかも距離がだいぶ近い。
先輩だし共演者の方との仲を壊すのは避けたいけど、どんどん近くなる距離に私はどうしたらいいのかわからなくなる。
「中原さん、心愛に用事があるのでよろしいでしょうか」
困っていると橘さんの手が私の腕を掴み自分のほうに引き寄せる。
そして中原さんの返事を待たずに私の控え室まで引っ張っていく。
パタン…
ドアをしめると中原さんに負けないぐらいの近さに橘さんがいて思わず赤くなる。
「あっ…あの////」
「お前迫られすぎ」

