「………お前誰だよ」
「紹介が遅くなりました、甘地心愛のマネージャーを務めてます橘雅人と申します」
橘さんは胸元から名刺を取り出すと中原さんと中原さんのマネージャーに手渡す。
「………橘……雅人…ねぇ……」
中原さんは名刺と橘さんを何度か見るとニヤリと笑った。
「挨拶わざわざありがとう、頑張ろうね心愛ちゃん」
中原さんはさっきまでの笑顔を消して私の頭を軽く撫でる。
「あっ、お願いします!!失礼しました」
私は深々お辞儀をして橘さんと楽屋を出た。
「中原さん…なんかイメージ通りの人でしたね」
なんてゆうか…
グイグイくるかんじ…。
くるっと振り返ると暗い顔をしている橘さんがいた。
「橘さん…?」
「……心愛…気をつけろよ」
「…何がですか?」
私の質問には答えずスタスタ歩いて行ってしまった橘さん。
何があったの?
私のそんな疑問の答えはすぐに知ることになる。

