私だって恋ぐらい…!!!









「由梨ちゃんが橘さんのことかっこいいって言ってましたよ〜」


「はぁ?」



パスポートを申請した帰り道。
橘さんの車で帰宅中。





「由梨ちゃん完全にメロメロでしたよ」


あれからずーっと由梨ちゃんに質問攻めされた私はいろんな意味でお疲れ気味。






確かに橘さんはマネージャーとは思えないぐらい顔が整ってる。



高い鼻に程よく焼けた肌。
黒縁メガネもよく似合ってるし、スタイルだっていい。








「橘さんモテます?」


「さぁね?」


「じゃあ、彼女とかいるんですか?」


後部座席から前に乗り出し少し不安げに聞く。







「………いるわけねーだろ、誰かさんのお守りで手一杯だよ」


信号が赤になった瞬間、前に乗り出してた私にデコピンをする。




「いたっ…!!」


「変な質問したからだろ?」


「全然変な質問じゃないじゃないですか!!」


「じゃあ心愛は?」


「えっ?」


「好きなやついんの?」