「緊張してる?」
「まぁ……でも今回は大丈夫ですよ」
「あぁ」
「……私成長したんで見ててくださいね」
「ほんとかよ(笑)」
「本当ですよ!!」
「嘘だよ(笑)、頑張れよ」
橘さんはそう言うと、あたしの頭をポンポンと軽くたたく。
「リハいきまーす」
スタッフさんの声…
「行ってこい」
「はいっ!!」
「じゃあ最後のリハ…気合い入れていこう!!」
「「「「はい!!」」」」
「リハ5秒前……4・3・2……」
前回のキスシーンと同じように壁に追いやられる。
でも…亜季の心は辛いと幸せが入り混じってて……
涼太くんの唇が私の唇に触れるほんの数㎝のところで止まり、時折角度を変える………。
「はい、オッケー」
監督の声で目を開けるとまだ涼太くんの顔がすぐ近くにいて思わず赤くなる。
あまりの近さに俯いてると
「心愛ちゃん良くなったよ!!本番もよろしくね」
と監督が声をかけてくれた。

