「お前は昔っから俺の欲しいもんばっか取ってくよな…」
「は?」
「役だって人気だって……女だって…」
苛ついたように中原はポケットに手を突っ込む。
「心愛ちゃん、狙ってたのはまじだよ」
「……」
「でも、好きなやついんならとか思ったけど…
お前には譲りたくない」
「……?」
「芸能界から途中で逃げ出したような腰抜けになんで俺が負けなきゃなんねーんだよ」
「!!!」
「お前が急に引退してから俺には仕事がいっぱいきたよ…
でも全部"雅人くんの代わり"って陰で言われ続けた俺の苦しみお前にわかるか!?」
鋭い目をした中原は掴みかかるようにように俺の胸ぐらを掴む。
「お前は楽していろいろ得られていいよな?」
「……」
「マネージャー?
ふざけんなよ、なに人の陰に隠れてんだよ」

