私の涙が零れるのを阻止してくれたのは 「海翔…?」 "海翔"と表示されている携帯を手に取り、通話ボタンを押す。 「もしもし…」 『あっ、俺、海翔!!』 「…フフッ、知ってるよ?」 海翔からの着信に出たのに自分の名前を言う海翔に思わず笑ってしまう。 『あのさ…、報道されてんのは本当か?』 「うん……本当みたい」 『で…どうすんの?』 「………我慢しろって言われたよ…」 『やっぱり……お前はそれで納得したのかよ?』