私だって恋ぐらい…!!!




ぐいっ


私の声を遮るように、橘さんに引き寄せられる。




「うっ……っ…」


「泣くなよ……」



頭の上から切なそうな声が聞こえる。


私の肩に手を置きゆっくり離れようとする橘さんにしがみつく。




「心愛……」


「やです……やですよ!!
なんで…なんで橘さんまでいなくなろうとするんですかぁっ…」



泣きじゃくりながら必死に繋ぎとめようとする。

だだをこねる子供みたいに。






「俺だって……離したくねぇよ……」

















もし……

私が普通の一般人なら……

この恋は騒がれず静かに実を結んでいたのかな?