ガチャッ
「橘さん!!」
「心愛…」
ドアを開けると、いつもでおり…
でも少し悲しそうな笑顔をした橘さんがいた。
「ごめんな、迷惑かけて」
「…なんで私にキスしたんですか…?」
私は橘さんの腕を掴む。
そうしないと橘さんが離れていっちゃいそうな気がして…。
「いつからだろうな…、お前のこと"女"として見てたの…」
「……」
「でも…中原がお前にキスしたの見て
演技だってわかっててもイラついた」
「っ////」
「あの日…、我慢出来なかった」
「/////」
なんで今
私の片思いは叶っちゃうんだろう。
でも…
「……私も…ずーっと橘さんが好きです」
そう言った私の震えてる手を橘さんの大きな手が包み込む。
「ありがとな…、でもダメなんだよ」
「なんで?なんでですか!?両思いなのに」
「俺…、お前が演技してる姿も好きなんだよ。
どんな役でも自分のものにしちゃう…。
だからこれからも頑張れよ」
「……なんでそんな…」
自然に私と橘さんの手が絡まる。
「もう……お前のそばにはいてやれない」

