「じゃあ、最後のシーンいきます!!」 「本番3秒前、3・2…」 カンッ カチンコが鳴ったと同時に全速力で森の中を走り始める。 それを中原さんが追いかけてきて思いっきり手を引かれ抱きしめられる。 だめだ…… 頭おかしくなりそう… 「カットッ!!!!!」 監督の声とともに拍手が起こる。 それを合図にするように、私は意識を手放した。 『心愛!!』 そう大好きな人に名前を呼ばれた気がしながら………。