「なっ中原さん?」 「何?」 何事もなかったかのように私を見つめている中原さん。 「あっ…あの」 「俺、本番だけとかじゃなくてドライから気持ち作ってく人なんだよね」 「そ、そうだったんですか」 確かに… ドライからリハからキスしたっていいわけだし。 中原さんは何も間違ってない。 でも…… あと2回は最低でもしないといけないってことだよね………。 わかってる。 そんなこと私が言える立場じゃないことぐらいわかってるけど…… 中原さんの笑顔が 怖かった。