キスされて…
ベッドに押し倒されて……
この一連の流れの撮影、このロケの山場が明日に控えてる。
「……でも本番は恥ずかしくないですよ」
本番は完全に役に入りきってるからね!!!
「へぇー、余裕だね」
中原さんは手に持ったコーヒーを軽く混ぜながら、私を見る。
「……明日楽しみにしてるね」
それだけ言うと中原さんはスタッフさんのところに行ってしまい、入れ違いできたのは……
「橘さん」
「お疲れ様」
橘さんはイスには座らず私の横に並ぶ。
「なぁ…」
「はい?」
橘さんが私の目線の位置までしゃがむ。
「あいつに何言われてたの?」