『短編』甲子園より、愛をこめて





4回裏1アウト2塁。


0対0の均衡を破ったのは、わたしたちの学校だった。


バッターは甘く入った球を、見事ライトの奥へ持っていった。


足の速い2塁ランナーは、3塁を蹴ってホームへ。


ホームインした瞬間、アルプススタンドが激しく揺れた。


わたしもいつの間にか「やった!やった!」と叫びながら飛び上がっていた。