『短編』甲子園より、愛をこめて


ナインがアルプススタンドに向かって、整列した。


彼は一礼したのち、帽子で顔を隠した。


涙を見せまいとした彼の仕草に、目頭が熱くなった。




ありがとう。


わたしたちを甲子園に連れてきてくれて、ありがとう。


君ががんばる姿は、太陽だった。


最高に格好よかったよ。


最高だったよ。


溢れてくる思いをどうすることもできず、わたしはアルプススタンドから、ただ拍手を送ることしかできなかった。