「遠子や・・・そんなところで何をしておるのだ」

「理由がなければ外へ出てはいけないのですか」


 蓬丸なみの強い口調で言うや、遠子は清明に目をやった。

するとその強気そうな表情が少しばかり和らいだ。


「清明・・・」


 存外にも、彼女は清明の名を覚えていた。


「姫様がお呼びとのことなので、参上仕りました」