いつもの様に師匠は
私をギュッと抱きしめ
眠りにつこうとする。


私も師匠に抱きしめられながら
そっと目を閉じる。


いつもなら少しすると
師匠の規則正しい寝息が
直ぐ聞こえるのに
今日は中々聞こえてこない。


するとーーー


「心音…」


「はい…?」


「愛してる…」


それだけ言うと
師匠からいつもの様に
規則正しい寝息が漸く聞こえてきた。


師匠の寝息に耳を傾ける。


規則正しいリズムに
私も直ぐに眠りへと落ちそうになる。


薄れゆく意識の中で
私も口にしてみる。


「なごむ、愛してる…」


一瞬私を抱きしめる力が
強くなった気がした。


このまま明日が来なければいいのに


そう思いながら私は
深い深い眠りへと入っていった。