「おき……っ」



二人の姿を見つけ、声をかけようとして戸惑った。


彼らはすでに、刀を抜いてにらみ合っていたからだ。


今、沖田の気をそらせない方がいいよね……。



「……チッ」



不意に、沖田が舌打ちをした。


え、なに?


と思う間もなく……


不逞浪士の背後……林の中から、三人の男が現れた。


三人とも、これ見よがしな長刀を持っている。



「かかったな、沖田!
新撰組一番隊組長も、これでおしまいだ」


「最初から、俺をおびき寄せるつもりだったってことか。
そうだよな。
でなければ、屋根から斬りかかろうなんて、バカな真似はしないよな」



はぁ!?本気で!?


誰かに見つけてもらって、沖田に追いかけられるように、わざわざ屋根に上ったってこと?


えぇ~。


あたし、余計な事しちゃったんだ……。



「そうだ。
お前は、よく単独行動をすると聞いているからな」


「は、良く調べたものだ。
それで正々堂々とはかかってこずに、一人でいるところを集団で狙うか。
大した浪士様たちだ」