幕末オオカミ



「楓!」


あたしを支えてくれた沖田のそんな声が、やけに遠くに聞こえる。


揺れる視界。途切れる息。


失われていく、意識。


あたし、死ぬのかな……


「……御免!」


はい?なに……?


反応もできなくて、沖田にただ体をあずけていると。


──ガバッ!!


いきなり、着物の前を襦袢ごと大きく開かれてしまった。


な、な、なにするの!!


沖田はそのまま、胸のさらしに手をかける。


「や……っ」


まだ息が苦しくて、声が出ない。


抵抗もできないまま、沖田はそれを乱暴に、剥いだ。


「いやぁ……っ!!」


裸の胸が、秋風と、沖田の視界にさらされてしまう。


ヤだぁぁぁぁぁ!!


なにこれ、何が起きてるの!?


「ゆっくり息をしろ!」


「う、えぇっ……」


「乳を圧迫しすぎたせいだ。
これで大丈夫のはずだから」


沖田は、心配そうに言う。


大丈夫って、あんたねぇぇぇ!!


できればこのまま死にたいよぉぉぉぉ!!