ここにいるのは、血と女に飢えた、壬生の狼たち……
頭がクラクラしてきた。
幹部が、こんなに軽い人達だなんて……
あたしは、選択を間違ったのか?
上様が見向きもしなかったあたしに群がるなんて、本当に飢えてるんだ……この人たち。
と言うか、そろそろ本当に苦しいぃぃぃぃ。
「はな……せっ!」
もう知らない!
あたしは着物の中に隠し持っていた苦無をつかみ、永倉先生の喉を狙って、振り上げた!
「おっ……と!」
永倉先生は、紙一重で苦無をかわし、あたしの腕をつかもうとする。
しかしあたしは、生来の身軽さで、そこから跳び退いた。
永倉先生の腕が、宙を切る。



