「……あの……」
「後から説明するから、今は黙っておけ」
「はぁ……」
沖田の言葉に従い、あたしは口を閉じた。
近藤局長は苦笑し、幹部の紹介を続ける。
「とにかく、あらためて紹介しよう。
今出ていったのが、副長の土方歳三(ヒジカタ・トシゾウ)。
そして、同じく副長の山南敬助(ヤマナミ・ケイスケ)さん」
近藤局長は、メガネの山南副長をさした。
「北辰一刀流(ホクシンイットウリュウ)の免許皆伝者だよ。
それに、とても物知りだ。
山南さんに聞いて、わからない事はない」
「や、やめてください、局長」
山南副長は照れたのか、うつむいてしまった。
一見頼りなさそうだけど、免許皆伝ってことは、そこそこ強いってことだよね。
人は見かけによらないな~……。
「山崎くんはさっき紹介したね。
じゃあ、副長助勤……」
「ハイッ、俺、藤堂平助!
一応北辰一刀流の目録持ってまーす♪」
藤堂先生が明るく話すと、一気に場の雰囲気が軽くなった。



