次の日。


あたしは予定通り、任務に出ることにした。



「……行けるのか。失敗は許されねぇぞ」



土方副長が、山崎監察と化粧をしている部屋に勝手に乗り込んできて、言った。



「大丈夫です。昨日はすみませんでした」



頭を下げると、土方副長はふん、と鼻を鳴らした。



「小娘が素直だと、気味が悪いな」


「あたしも副長が優しいと、悪寒がします。
気があいますね」


「けっ、言ってろ」


「楓くん、紅がはみだしてまう。
ちょっと黙ってんか」



山崎監察に言われた通り、口を一文字に結ぶ。


女好きの桝屋陥落のため、いつもより入念にされる化粧。


見た目が子供のあたしを、何とか大人の女性にしようと必死だ。


うー、笑っただけで、厚く塗ったおしろいがパキっといきそう。