「すまねぇ、小娘」
副長は、あたしの体を自分の方に向かせて、真っ直ぐに見つめてきた。
「総司の体調が格段に悪くなったのは、この冬から春だ。
そしてそれは、俺のせいだ。俺の責任だ」
「トシ、何を……」
「黙っててくれ」
副長の剣幕に圧され、局長は口を閉じた。
「……全ては総司に無理をさせた、俺のせいだ」
「副長……」
「狼になったり、人間に戻ったり。
それを繰り返して、アイツの肉体の寿命が縮んだんだ。
人間として大人しくさせててやれば、狼の寿命はこなかったかも知れない」
狼化が、総司の寿命を縮めた……
そうかも知れない。
狼化するとき、総司の体は、『今、負担がかかっています』と言わんばかりに、ギシギシと軋んでいた……。
変身し、霊力で抑えられを繰り返し、狼の体に限界がきた……。



