結局、平助くんと総司の間に何があったか、顔色の悪かった理由、どちらも聞くことができなかった。 しかし、二人ともしばらくすると以前のような空気に戻っていった。 あたしと総司の間も、変わりはない。 たまに蔵で逢引──といっても、総司の我慢強さはまだ続いているらしく、接吻以上のことは何もされないけど──するくらい。 見上げる空が、いつの間にか高くなっていた。 桜はとっくに散ってしまい、京の町に蒸し暑い夏が来た。