それからすぐに、陽炎との約束の日は来てしまった。


屯所中に、緊張感が走る。


そんな中、一枚の手紙があたしによこされた。


それは陽炎からのものだった。


返事は、外で聞きたいと……。


指定された場所は、誰も近づかないような、廃寺だった。



「なるほどな。
隊士全員に返り討ちにされたんじゃ、たまらねぇってことか」



手紙を見た副長は、ふんと鼻を鳴らした。



「まぁ、こちらもそれでいい。
さすがに屯所でドンパチやらかせねぇしな」


「どうしましょう……やっぱりあたし、ひとりで」


「何でそうなる、バカ小娘。
何人か一緒に行くに決まってんだろ」


「はいっ!!」



と、幹部が集まる部屋で勢いよく手を上げたのは……



「近藤さん……アンタを行かすわけねえだろっ!!」



優しい局長は怒られて、しゅるしゅると小さくなってしまいました……。



「まず総司。あと平助、斉藤。
それくらいか」


「トシ、原田くんと永倉くんもつけてやってくれよぉ」


「あのなあ。本当に相手が一人かわかんねえだろ。

もし隊士が人質に取られるようなことがあったらどうする。

屯所の守りも固めておくべきだ」


「うっ……」



どっちが局長なんだろう……。


たまに忘れそうになるな……。