「大丈夫だと思います……陽炎は、3日後までは言わないでしょう。

自分の獲物は自分一人で捕らえる。
彼はそういう人です」


「なるほど。じゃあ、決定だな」



土方副長が膝をポンと打って……全員の方を見て、にやりと笑って言った。



「……返り討ちにしてやりゃいい。
これから向かってくる刺客、全員な」



と。



「上様が小娘を追う理由はわからねえ。
しかし、俺達はこいつを返さない。

その分、他の仕事で幕府に恩を売ってやろうじゃねぇか」


副長まで……。


今までさんざん鬼とか言ってごめんなさい。


「トシ……お前、いいやつだなあ」


「あぁ?どうしてそうなるんだよ、近藤さん」


「なんだかんだ言って、トシは楓くんが気に入ったんだなぁ……」



近藤局長がほっこりした笑顔で言うと、副長は思い切り嫌そうな顔をした。