「ぐわうっ!!」


「総司っ、伏せっ!!」



──今夜は、月夜──



あたしは総司に向かって、お札を放つ。


お札は総司のオデコにピッタリ張り付いた!



「ぎゃわんっ」



総司は地に伏せ、そのまま狼の耳としっぽは消えていった。



そう……


冬になって、あたしの霊力は狼化した総司を制止できるまでになっていた。


それもこれも、全部斉藤先生のおかげだ。


最初にもらった護符を肌身離さず持ち、『あの日』から暇さえあれば修行に励んだ。



そう。


あたしが総司の暴走を止めてやるんだと約束した、あの雨の日から。