幕末オオカミ



八木邸に戻る途中。


急に後から声をかけられた。



「新撰組局長、芹沢鴨殿とお見受けする」


「……お主は誰じゃ」



芹沢が振り向くと、そこには汚い格好の浪士がいた。



「天誅!!」


「!!」



浪士は突然、芹沢に斬りかかる。


芹沢はあたしを後方に突き飛ばし、鉄扇でそれを受けた。


ぐわん、と嫌な音がしたと思ったら、物陰から、仲間らしい浪士がわらわらと出てきてしまった。



「死ね!!」


「そうは行かぬ!!」



芹沢は、その身に合わない速さで剣を抜き、その場はあっという間に修羅場と化した。



「ふん!!」


「ぎゃあぁぁっ」



浪士は一人、また一人と芹沢に斬られていく。


強い……!



そう思った時。


芹沢のお尻から、あるものがぴょこんと飛び出した。