「お帰りなさいませ。ちょっと、掃除を」
「嘘つき。
あの騒がしい子供達と、遊んでただけやないの」
おーうーめー!!
お前なんか一日ゴロゴロしてるだけじゃないかっ!!
「まあ、子供は子供同士、馬があうのだろう」
キツネ……今は人の姿の新見が、意地の悪い顔で言う。
誰が子供だっ、誰が!
「あんた、何ボーッとしてるんや。
お茶の準備もできへんの?」
やはり座ったままのお梅さんが、あたしに指示をする。
キーッ!!
お前の情夫の世話ぐらい、お前がしろってんだ!!
「はい、ただいま」
あたしはギリギリと奥歯を噛みながら、台所へ走った。
だいっ嫌いだ、あの女!!
早く任務を終えて、皆の元に戻りたい。
そのためには、情報を集めなきゃ。
あたしはその一心で、夜中に忍び込むことに決めた。
もちろん、芹沢の部屋の天井裏に。