釈然としないのは、あたしだけのようだ。
ねえ、沖田……。
あんただけ、まだあたしの女装を、褒めてないんだけど。
いや、女なのに女装って言い方もおかしいけど。
ずーっと不機嫌そうにしてるし、こっちの方を見ようともしない。
「じゃあ、解散するか。
楓、半時後に八木邸前に集合だ」
「はい、副長」
土方副長の一声で、幹部たちはそれぞれ散っていった。
あたしは山崎監察から預かった少しの着物を持ち、蔵に戻る。
忍の武器が、まだあそこにあるからだ。
「おい」
その途中で、声をかけられた。
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