幕末オオカミ



その優しい目で見つめられると、不思議に頬が上気した。



「あ、ありがとうございます」


「いや……本心を言ったまでだ」


「ずりーな、斉藤!おいしいとこを持っていきやがって!」



斉藤先生の優しい言葉にジーンとしていると、横から永倉先生がちゃちゃを入れた。



「しかし……大丈夫でしょうか、局長」


「なにがだい、斉藤くん」


「芹沢はかなりの女好きです。
これほどの娘を、放っておきますかね」



しーん、と、その場が静まり返った。


たちまち顔を曇らせたのは、平助くんだ。



「そ、そうだ。絶対襲われるよ、楓。
局長、やめましょう!」


「ちょっと平助くん!!」



何を言うんだ!!


ほら、優しい局長が困ってるじゃないか。



「あたしは、平気だよ。
だって、これ、仕事だよ?
あたしは責任をもって、この仕事をしたいの」


「……楓……」



平助くんは、くりくりとした目で、あたしを見つめた。