幕末オオカミ



斉藤先生を見ると、彼はゆっくりうなずいた。



「気配を追えば、難しいことじゃない」


「えっ?気配って……屯所にいたんですよね?
ここから、どうやって……」



首を傾げると、斉藤先生は。


少し目を見開いたあと、咳払いをした。



「……話しても大丈夫ですか、局長」


「あぁ、構わない」



え?

またヒミツの話?


その予想は、的中した。



「沖田の気を捕まえられたのは、陰陽術を使ったからだ。

俺は、ある密教の宗派がある山で、修行をしたことがある」


「えっ!!」


「だから俺は、沖田の居場所がわかったし、」


「正気に戻す事ができた……!」


「そういうことだ」