幕末オオカミ



つったって……


あたしは沖田をちらりと見た。


沖田は、近藤局長だから反論できないんだろうけど、ものすごく嫌そうな顔をしてる。



「……夜勤をさせないわけには……」


「いくわけねぇだろ。

総司はこの新撰組で、一位二位を争う使い手だ。

副長助勤という役職もあるやつが、夜出られませんって、そいつは通らねぇ」



土方副長がぴしゃりと言い放つ。


やっぱり沖田って、強かったんだ。


昨夜初めて、その剣筋を見たときは、チビるかと思ったもんなー……。



「他の奴は、他の仕事がある。

昨夜も、総司が一人で浪士を追っていったと聞いて、仕方なく斉藤が向かってくれたんだ」


「そうだ!
よく、あの林の中にいるってわかりましたね!」