「……あ……っ!」
男に斬りかかられ、沖田はやむなく、浪士の体から跳んで離れた。
「抜け!!」
一撃目を避けられた男は、さらに二撃目の突きを繰り出す。
「沖田……っ!!」
男の動きは、あまりに早い。
このままじゃ、沖田が斬られてしまうんじゃないか。
そう思った時だった。
──ギイン!!
刀の刃どうしがぶつかる音がした。
沖田が自分の刀を抜いて、男の刀を受けたんだ。
爪が伸びた手では柄が持ちにくいみたいで、受けるのがやっとという感じ。
「沖田!!俺だ、わかるか!?」
男は沖田に語りかける。
「……さ、い、と……」
沖田は牙の生えた口で、話しにくそうにした。
その腕から、だんだんと力が抜けていく。
「斉藤……」
うなり声はやがて、その男の名をはっきり呼んだ。



