幕末オオカミ




「やめろ!!」



お前は、そんなやつじゃないはずだ。
快楽のために、そんなひどいことをするはずがない。


あたしは、思わず沖田の目の前に出ていた。




「……」



沖田の金色に光る瞳が、あたしをとらえた。


その瞬間、恐怖が全身を駆け抜ける。


やっぱり、違う……。


沖田はぶっきらぼうで、嫌なやつだけど。


目の前にいるのは、それよりもっともっと、恐ろしいもの……。



金色に光るその目は、獲物に対峙した捕食者……


獣の王。


狼、そのものだった。