牙龍−元姫−




こんな険悪ムードになるなら来なきゃ良かったァ。



ちー君に会いたかった理由って、からかうためだもん。



本当、白夜ってただの鼠じゃないよねェー。










ザァー
吹く風が木の葉を揺らす。
ザァーザァー
木の葉が大きく音を立てる。




猛暑なのに
僕は何やってるんだろ…?
もう帰ろっかなァ…?
うん。
帰ろう!でも帰りそうにないんだよねェ〜コイツ。
あ〜あ…





白夜とちー君を見ながらボーッと考える。



ちー君の睨みは空気を刺々しくさせる。



ただ白夜は笑うだけだから余計にちー君を腹立たせるんだろうなァ。





「…はァ〜…」





本当何で僕ここに要るんだろォ?



溜め息をつく僕は完全に場違い。二人は僕に見向きもしない。




完璧空気じゃんかァ!