「人を愛するのは難しいと思わないかい?」
「知らない」
「うはは!そう惚けた事言わないでくれ。もっと虐めたくなるだろう?」
睨み付けるちー君と愉快そうに笑う白夜の"愛"の価値観は違う。
白夜は全てを。ちー君は一途に。ここまで真逆だとある意味スゴいよねェ〜。うんうん。
「愛の穢さなんて君が一番知ってるじゃないか」
時折吹く生温い風が追い風のようで白夜に味方しているみたいだ。白夜に味方するのなんて悪魔ぐらいだと思ってたんだけどなァ…
「他人を気遣うなんてらしくないじゃないか。ああ、家族だからかい?情が有ることに私は吃驚さ。ちー君、君のお姉さんは怖いかい?だから言えない、とか。響子ちゃんを……」
ドンッ
「黙れ」
大きな衝撃音。
それと共にヒラヒラ落ちてくる葉。その葉にちー君が木を殴り付けた事を把握する。
普通殴り付けただけじゃ葉は落ちて来ないと思うんだけどなァ〜。
ちー君が凄く怒ってることを落ち葉が教えてくれる。
「その名をお前が呼ぶな」
漸く感情を露にしたちー君に白夜は、ただ笑う。

