牙龍−元姫−




目を逸らすと、そのまま私の肩に顔を埋める蒼が吸い付くようにキスする。



脚がガクガク震えていて今にでも崩れそう。
でも蒼が腰を掴んで離さないから崩れ落ちない。





「や…っ」





チリっと焦げ付くような感覚が首を走る。



痺れるような感覚に耐えきれず蒼の背中に手を回してギュッと強く握りしめた。





「っはぁ……」





蒼衣が唇を離したと同時に詰めていた息を大きく吐き出して呼吸を整える。



瞑っていた目をソッと開け目の前の窓ガラスを見れば…
赤い痣の横にくっきり残る、もう1つの赤い痣があった。