牙龍−元姫−





流れ作業のような一連の出来事。生死を賭けた逃走劇を繰り広げていた彼らには悪いけど、あっさり終わってしまったことに拍子抜けしてしまう。



あまりの熱気に他のクラスは押され気味。C組は“だらけたクラス”として全く敵視されていなかったから。



A組なんて思わぬダースホークの出現に呆然としている。



チームワークと言い迫力と言い、3Cだとは思えない。



逃げ回っていればあっという間に終わった……と各クラスが呆気に取られるなか3Cだけは騒ぐ。













私はグラウンドの中心部に目が釘付けになっていた。





「―――カッコいい」





あり得ないほど人外な勇姿を見せた彼女に校庭に釘付けにされる。



“カッコいい”そして“寿々ちゃん”と続けて言おうとした。



しかし隣に居る彼は一体何を勘違いしたのか…





「他の男ばっか見てんじゃねえよ」




グイッと引き寄せられ戒吏の逞しい腕が私を抱き締めた。その反動でミネラルウォーターのペットボトルが手から滑り落ちる。





ゴトッ



ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…





そのまま転がっていくペットボトルを追おうとするが戒吏はそれを許してくれない。



私の行き先を、背中に回る戒吏の腕が遮る。抜け出そうとすればするほど更に強く抱き締められた。