きっと不可抗力で出る事になった可哀想な人たち。
何だかんだ根強く、厳つい彼らは兎も角。
まさか2人が出ているとは思いもしなかった。
空もだけど、問題は寿々ちゃんだ。
皆声が大きいからココまで会話が届く。現実逃避からか寿々ちゃんの言動がやや可笑しい。
女の子なのにそんな危険な競技出るべきじゃないよ!と不安になる私に気付いたのか戒吏が言う。
「アイツなら心配要らねえ」
「どうしてそんな事が分かるの?元々不良だったから?――だけど女の子だよ」
「…元ヤンって知ってたのか」
微かに驚く戒吏に頷く。私は戒吏の“大丈夫”に自然と目付きが鋭くなってしまった。あくまで“女の子”を強調する。
けれども戒吏は私を見ていた目を寿々ちゃんに移し、
「…アイツは大丈夫だ」
そう断言した。
そこには迷いも何も、なかった。ホントに大丈夫という確信を持っているように感じた。
でも私には戒吏が何を根拠にそんな事を言っているのかさっぱり分からない。
不満げに口を尖らせる。
「見ろ」
戒吏に言われるがままに再び校庭を見ると―――――目を見開いた。
見開きすぎて眼球が零れ落ちるんじゃないかとさえ思った。
な、なんで?
あり得ないよ寿々ちゃん…
牛を素手で止めるなんて。

