牙龍−元姫−

「ぎゃああああああ!喰われる!喰われる!殺される!」

「誰か早く牛の背中にある風船割れよ!早くしろ!」

「ならお前が割れ…ッギャア!来たああああ!」

「近い近い!」





柵で囲まれた中心には逃げ回る生徒達がいた。
生徒達を追いかけるのは…牛。





「う、牛!?」





思わず叫んでしまった。



逃げているのは“体”の人達だと思う。その中でも足が早く素早っこい人達。



どうやら牛の背中に付いている風船を割らなければいけないらしい。徐々に体力も削らされていく、時間と体力勝負。



初っぱなからハードルが高すぎる。これが神無際。死と隣り合わせの競技を詰め込んだ祭。なんて、下らないバカな祭なんだろう。



先生達は涙目の生徒を見て笑っている。



それもその筈、いつもは澄ました顔でヤンチャしている不良達が逃げ回る姿は正に滑稽。これは先生が日々の鬱憤を晴らすための祭りでもある。



牛の迫力にひるんだ、そのとき。



ある人物が目に入った。