「どうしてこの部屋こんなに散らかってるの?」
私の言葉に部屋は、先程とは違う意味で静かになった。
「え、汚ねえの?」
「僕もそう思うよ」
「普段からこんな感じだから違和感ね〜よな」
「ブスが来てからだろ?散らかってんの」
「ひとのせいにするとか醜すぎる…ッ!」
「実際そうだろ」
各々思い思い口にする。
あまり汚いという意識はないみたい、庵以外。目にあまる程の散らかりようなのにこの淡白さ。呆れるしかない。
「多分、響子がいなくなってからだよな。掃除するヤツ居ねえし」
空が部屋を見渡しながらそう言った。
「皆はしなかったの?」
「面倒だ」
「僕はしてたけど、すぐ散らかるから諦めたよ」
「俺は家政婦じゃねえ」
「花の手入れだけな〜」
「掃除嫌いだ!」
…これなら、散らかるよね。
部屋を綺麗にする意識がまるで皆無。
蒼は部屋に花を飾ってるみたいだけど部屋が汚いなら飾っても意味ないよ…。
これじゃ綺麗な花もくすむ。
でも1つの疑問が浮上する。いま答えたのは5人だけ。寿々ちゃんは掃除してるのかな?と思いきや――――――‥
「アタシは忙しい身であまり来れないから掃除する必要はない!」
「なら何でテメエの私物で溢れてんだよ此処は」
「ほぼゲームとかお前のだろ!いい加減持って帰れよ!」
「来ないも何も、週5のペースで来てんじゃね〜の」
それに直ぐ様、遼・空・蒼が反論する。
軽く青筋をたてている。
「う、うるさいなー!」
「ゲーム壊すぞ!」
「や、止めろ!ディスペンダ様を傷つけるな!壊したら死ぬまで空たんを呪い続けてやる!абвгдеёжзйкмно!」
「…お前が言うとやけに現実味があるから止めろよ」
空が踏んで壊そうとしたゲームを寿々ちゃんが体を張って守る。
呪うと言い、訳のわからない言葉を唱え始めたときの目が本気だった。
空の言葉には皆が頷いた。

