緑色の髪をブンブンと横に振り、懇願する。
どれだけ自分たちの罪が重いかを力説し始めた。
「っそ、そんな!俺達は貴女を傷つけた!そんなあっさり謝られては頭を上げることは出来ません!」
「わかった。一生許さない」
『響子ざあああああん!ずみまぜんでしだーっ!』
再び泣きながらと土下座する彼ら。先ほどよりも深々と。
私にどうしろと言うの。簡単に許せば怒るし、許さなければ泣く彼らに少し面倒臭いと思った。
「きょ、きょん姉さん!」
「カン太…」
外に居たのか、倉庫に入ってきてすぐにこの光景を間の目にし、固まっていたカン太が漸く声をかけてきた。
「どうしたんスか!?牙龍に戻ってきたんスか!?」
「違うよ」
「響子ちゃんはお客さんだ!寛僧!」
「か、かんぞう?」
寿々ちゃんに聞けばカン太の呼び名らしい。
寛太郎と小僧で寛僧(かんぞう)
…肝臓かと思っちゃった。
「お、お客さん、ッスか…」
あからさまに悄気たカン太。犬の耳が幻覚で見える。よくみれば、周りにいる牙龍の彼らも同様。
私が戻らないことへの負い目からか。自分たちのせいだと責めている。そんな彼らに気を使って口を開いた。
「…姫ではないけどお邪魔してもいいかな?」
そう苦笑いすると、悄気ていた彼らの目が一斉に輝いたのが可笑しかった。
「あ、あ、当たり前です!」
「響子さーん!」
「歓迎するっす!」
「会いたかったです!」
「ずみまぜんでしだあああ!」
「ざ、座布団用意!」
「茶菓子もだ!誰かショートケーキ買ってこい!」
一斉に私を囲み、語りだす彼ら。
やけに静かだと思えば寿々ちゃんテーブルにあった煎餅を食べていた。緑茶つきで。本当にマイペースな子だと思う。

