ほわほわ。ふわふわ。
といい雰囲気が流れ始めたとき、
寿々ちゃんは足を止めた。
「――――あのさ、」
「うん?」
「ずっと言おうと思ってたけど、怪我、大丈夫だった?みんな居て言えなかったから、」
言いずらそうにしながら聞かれた。
いつもハイテンションの寿々ちゃんが珍しく声を抑えている。
あの放課後のときの事か、と瞬時にわかった。
でもまさか、このタイミングで言うとは思ってなくて少し吃驚した。だけど今は2人だから何の支障もない。
「大丈夫だよ、有難う」
「そっか!良かった!戒君達に言った方がいいか悩んだんだけど、あの時はまだ、」
あれやこれやと私を傷つけないように言葉を選ぶ寿々ちゃんに自然と笑みが浮かんだ。
「有難う。でも今更言わなくてもいいよ?」
「え、でも今なら…」
「もう過ぎたことだし、掘り返すこともないでしょ?」
「うーん。それも、そうだよね」
渋々ながらに頷き、最後は納得した寿々ちゃん。私がそうさせからだけど。でも言われては困る。
昔同じことがあったから、
そのときの彼らはその彼女たちを下の人達に託し成敗を下したらしい。それ以来その女の子たちの姿を見てない。
詳しくは知らない、聞かされていないから。今回も何をするのか分からない。同じことをされては困る。

