牙龍−元姫−




かなり温度差が激しい4人と私たち。



同じ空間に、そして同じテーブルに居るとは到底思えない。



私は彼女も私達と同じだと思った。


風見さんやお姉ちゃんのように白けた目をしているかと思った。



しかし、驚くことに彼女は―――――――あっち側だった。





「愛にゃんのにゃんパワー注入〜!にゃんにゃん!」

「にゃんにゃん!」

「「響子(ちゃん)!?」」





お姉ちゃんと風見さんが同時に叫んだ。思わず私は飲んでいたオレンジジュースを吹き出す。



響子さん!?





「響子ちゃん可愛いー!おいでおいでー!一緒にやろうー!」

「ふん。貴様なかなか分かる奴だな」

「悪くないな、流石は響子」

「きゃああ!お嬢様可愛らしいですう〜!このお耳をどうぞお〜!さあ一緒にい〜!?」

「「「「にゃんにゃん!」」」」





「や、やめてー!響子を変な世界に巻き込まないでー!!」





珍しく青ざめながら、風見さんはあの輪に割って入る。



そう言えば響子さんははじめに周りの客がやっているのをみて「にゃんにゃん」って独自で言ってたよね?



私はメイド喫茶に来る前に心配していた。こういう雰囲気は好まないんじゃないかって。寧ろ引くんじゃないかとさえ思った。