「それにしても、ぶっ細工ですよね」
「え、」
「眼真っ赤だし。丸っきり不細工ウサギじゃないですか」
「……」
「ククッ、嘘ですよ」
繁華街の大通りに戻ると、路地裏とは違い人で溢れていた。
そして大通りにつくと私は直ぐに千秋に貶され始めた。顔の事には突っ込まないで欲しかったのに。
「ちょっとは元気出ましたか?」
千秋は私を元気付ける為にサンタのお爺さんに会わせてくれた。久々に会ったのに気にかけて呉れる所は相も変わらずだ。
千秋のその率直で遠回しじゃない優しさと気遣いは、いつも私をリラックスさせる。そして何故かまた涙腺が弱くなり、涙が零れ落ちそう。
でも今の不細工発言は逆に凹んだよ。
「……ありがとう」
「お礼はキスでいいですよ?」
――――……今日だけはそのおふざけも許してあげる。