したよ?約束。
でも放課後、校門に4時だから…
「(―――‥あれ?)」
目を擦り、時計を見る。
長針が5を差して短針が4を差す――――――え?
短針が4?3じゃなくて?
短針が4ってことは…
4時?
4時5分?
「うがああああ!や、ヤバいいいいい!!どどどどっ、どう致しましょうか!?りっちゃん!」
「叫んでる暇があるなら、さっさと行け!」
「痛いっ!」
投げられた小説が“ガンっ!”と頭に命中して痛みに悶える。
丁度角が当たったんだけどっ!
痛い痛い!痛すぎだって!
痛みに堪えながらスクール鞄を肩にかけ、勢いよく椅子から立ち上がる。
「早く行かなきゃアンタの印象最悪だね」
りっちゃんが私を更に急かす。
その余裕の笑みが憎たらしい。
な、なに言ってんのーっ!
止めてよそんな冗談!
でもあながち冗談でも無いかもしれない。
りっちゃんの顔を見ずに手を振る。
「バイバイ!りっちゃん!また明日ね!」
「は〜い。頑張れ〜」
私はりっちゃんの返事が返ってくる前に駆け出し校門へと急いだ。―――――――――憧れの彼女に逢うために。