牙龍−元姫−




「だいたい空も此処に来るときの事覚えてる?普通だって言ってるのに挙動不審すぎでしょ」

「わ、わりぃ」





金色から手を離され、若干顔が悪い“空”と呼ばれた美少女のような少年が罰の悪そうな顔をする。





「空は緊張しすぎじゃねえの。もっとリラックスしようぜ〜?」





ココに来たとき響子ちゃんに声をかけ再度座ることを託した藍色。



棒つきキャンディーなんて可愛いものなんて舐めとる。ヘビースモーカーのワシは誰が“同士”かは見れば大体わかる。



藍色は煙草を吸ってそうな奴なんだがのう。はて?禁煙中か?





「だ、だってよ?爺さん言ってたじゃん。新しく創り直せばいいって。だから初心に返って自己紹介から始めようかな〜…って」

「バカかてめえは!それでも間っつーもんがあんだろが!?何であの局面の打開が自己紹介なんだよ!空気読みやがれ!」





うむ。金色の言うことも一理ある。


ワシは頷いた。



ちと捉え方をトチったの桃色の少年よ。いきなりの事でワシも少し驚いたわい。