桃色の発言に真っ向から否定した金色が即座に、店に置いてある灰皿で殴りよった。
流石に痛いぞあれは。
灰皿を投げ棄てたかと思いきや、(――――――おい!それは店の灰皿じゃ!なんとおぞましい男じゃ。それは掘り出し物市で見つけた珍品の灰皿じゃい。)
そしたら桃色の頭を掴み、グワングワンと縦横左右に振り出した。
お前さんは何がしたいんじゃ…!
ワシからしてみればお前さんのほうが危ない病に侵されとる。
きっとウイルス菌BAKAに掛かった難病患者じゃ。若いのに憐れだの。今現在の医療技術ではウイルス菌BAKAの処方薬ない。バカにつける薬はないようじゃ。
「遼、止めてあげなよ?空の顔色悪いから。そのままじゃ空が吐きそうだよ」
白金の男が金色と桃色の仲裁に入った。
白金はハーフか?えらく日本人離れした顔つきじゃ。どいつもこいつも嫌味なくらい美形揃いだの。
儚げでやたら穏やかそうな奴じゃと思っとったが仲裁に入った辺り実際もそうらしい。
まるでお伽噺から飛び出してきた王子様みたいなヤツじゃ、何て言う老い耄れは夢の見すぎかのう?
「吐かれると僕が迷惑だから、止めなって」
な ん じ ゃ コ イ ツ !
まさかの他人より自分の心配!?眉間に皺寄せてるあたり本気で嫌がっとる!
少し感心したワシが馬鹿じゃったわ…!何が王子じゃ!こんな儚げな顔して腹黒王子居てたまるか!
清らかな子供たちの夢を壊すな!そしてワシの夢も壊すな…!
あれじゃあれ。幼き頃サンタは居ると知っとった子供が狸寝入りをしてサンタが来るのを待ち構えとったクリスマスの夜、薄暗い部屋に入ってきたサンタの正体が父親だと知ったとき並みのショックじゃ。

